テーマ75 管理職者として“学習のために実践する”という意識が
常に前向きな取り組み姿勢を保つ
■職場は、能力を実践的に身につける唯一、最良の場
仕事に関する知識や技術は、新しい知識や技術を頭で知り、
理解するとよいというものではありません。
職場においては、新しい知識や技術は、仕事の中で実践され、
成果を得て、初めて身についたということになります。
新しい能力を身につけるには、知識的な経験だけではなく、
実践的な経験が必要となります。
このような実践的な経験を積み重ねることができる
唯一の場所が職場であり、仕事であります。
仕事は、目標を達成し、成果を上げるために行いますが、
別の視点からみますと、
“学習のために実践する”、“仕事を通して学習する”
という視点もあります。
“学習のために実践する”という意識が、
常に仕事にチャレンジするという、
前向きな取り組み姿勢を保ちます。
「考えて、考えて、考え抜いて、本来、今、管理職者として
行うべき仕事を自ら設定し、実践し、成果を獲得する」
のが管理職者の仕事となります。
そのために、管理職者が職場の中で、学習のために
具体的に実践する領域と致しましては、下記の3つが上げられます。
1.部下の指導、育成
2.担当部署のPDCA推進
3.担当職務の専門能力の向上
■部下育成、担当部署のPDCAのプロになる
リーダーシップの行動スタイルを
「人間に対する関心」と「業績に対する関心」という
2軸で表したマネジリアル・グリッド論というのがあります。
マネジリアル・グリッド論は1964年にアメリカの経営学者の
ブレイク氏とムートン氏によって提唱されたものです。
リーダーシップの行動スタイルを
「人間に対する関心」と「業績に対する関心」という
2軸に注目して分け、それぞれにどの程度関心を持っているかによって、
それぞれの軸を9段階に分け、
これによってできた計81の格子をマネジメント・グリッドと称し、
典型的な5つのリーダーシップ類型
(1・1型、1・9型、9・1型、9・9型、5・5型)
に分類した理論です。
1・1型: 業績にも人間にも無関心な放任型リーダー
*与えられた仕事だけを行う。
1・9型: 業績を犠牲にしても人間への関心が高い人情型リーダー
*部下との人間関係は円滑だが、業績には反映しない。
9・1型: 人間を犠牲にしても業績最大化への関心が高い権力型リーダー
*業績だけを重視して、部下への関心はない。部下を潰すこともあり得る。
9・9型: 業績にも人間にも最大の関心を示す理想型リーダー
*業績は高く、部下からの信頼も厚い。
5・5型: 業績にも人間にもほどほどの関心を示す妥協型リーダー
*現状維持を求めるタイプのリーダー。
我々が目指すのは、当然9・9型のリーダーです。
日頃の職場の中では、
業績とは、担当部署のPDCAを推進すること、
人間とは、部下の指導育成を推進することになるかと思います。
「部下の指導育成」、「担当部署のPDCA」
推進のために管理職者として必要なことは、
「部下の指導育成」、「担当部署のPDCA」
推進のために必要な知識を学習すること、
そして、「部下の指導育成」、「担当部署のPDCA」推進のために、
管理職者として、本来、今、行うべき重要業務や
それを行うことによって獲得すべき成果、
獲得すべき成果を獲得するための進捗管理の方法などを
明確にし、実践することが必要です。
日々のたゆまぬ努力により、
99型の理想的な、プロの管理職者となることができます。
■自分の専門分野の権威となる
最新技術を活用した新商品化の企業間競争や
海外企業も含めた価格競争の一層の激化など、
新技術がどんどん進展し、
企業戦略のあり方なども日夜変化しております。
管理職者としても、自分の担当職務における
最新の技術や知識を身につけるとともに、
最新の動向を常に把握しておくことが必要となります。
管理職者として担当職務の専門的能力が
必要な理由を上げると下記のようなことになります。
・品質、原価、納期面で卓越した仕事を行い、
お客様の高評価を得て、リピート受注を獲得する。
また、工事実績を踏まえて、新たなお客様の開拓を行う。
・最新の技術も含め、仕事ができない上司は、
部下から信頼されない、尊敬されない。
・部下を指導育成するにあたっては、その分野に対する
卓越した知識、技術の持ち主であることが当然必要となる。
・管理職者は、対外折衝の責任者であり、
お客様と折衝するときは、当然その分野における
専門家としての知識、技術が要求される。
管理職者は、担当職務の専門分野における権威者となることが必要です。
担当部署の専門分野で優れていることが、
管理職者として、自分の考え方や行動に自信を持つことができると共に、
確固たる態度が取ることができ、
部下からの尊敬も受けることができます。
■自分を伸ばす力を体得する。自己研鑽、自己啓発を怠らない
管理職者は、
「考えて、考えて、考え抜いて、本来、今、自分が行うべき目標を設定する」、
「日々直面する様々な課題に適切に対応しながら結果をつくる」など、
自ら問題をつくり、自ら答えをつくりだしていかなければなりません。
「自ら問題をつくり、自ら答えをつくりだす」ということは、
「無から有をつくる」ということでもあります。
「自ら問題をつくり、自ら答えをつくる」、
「無から有をつくる」これらのことを実践し、
今以上の優れた仕事を行っていくためには、
日常の仕事における実践の中での学習と
仕事以外の場における学習の積み重ねを習慣化し、
管理職者としての自分の力を高めていくことが必要となります。
学習の積み重ねを習慣化することによって、
自分を伸ばすための力を体得することができます。
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